
「最近、夫や妻、彼氏や彼女の様子がおかしい」「もしかして浮気かもしれない」。そう感じて、他人のLINEを見られるアプリや、無料で使える監視アプリを探している方は少なくありません。
実際には、妻のスマートフォンに監視アプリを無断でインストールした夫が逮捕された事例があります。2025年には、世界的に知られていた監視アプリ3社が情報流出を起こしてサービスを閉じました。
この記事では、アプリの購入をすすめることはしません。何が起きるのか、何が使えなくなるのか、そして事実を確かめたいときに他にどんな道があるのかを、出典を示しながら整理します。
アプリの稼働状況とサービスの状態は2026年5月時点で確認したものです。法令の表記と出典は2026年8月に見直しています。
最初に知っておいてほしい3つの事実
アプリの話に入る前に、この記事を読んでくださっているあなたを守るために、先に伝えておきたいことが3つあります。
事実1:妻のスマホに監視アプリを入れて、実際に逮捕された夫がいる
「夫婦なのだから」「結婚しているのだから問題ない」と考えていないでしょうか。
弁護士ドットコムニュースが報じた事例では、奈良県内の会社員男性(35歳)が、妻のスマートフォンに遠隔操作アプリを無断でインストールしたとして、2015年4月上旬、不正指令電磁的記録供用罪の疑いで奈良県警に逮捕されています。男性は容疑を認めているとのことです。
- 時期:2015年4月上旬
- 逮捕したのは奈良県警
- 逮捕されたのは奈良県内の会社員男性(35歳)
- 罪名は不正指令電磁的記録供用罪
- 何をしたか:妻のスマートフォンに、遠隔操作でメールを閲覧したり居場所を特定できるアプリを無断でインストール
- 発覚の経緯:妻が見覚えのないアプリに気づき、奈良県警に相談したことで判明
出典:弁護士ドットコムニュース「妻のスマホに『遠隔操作アプリ』入れたら逮捕!『不正指令電磁的記録供用』ってなに?」(弁護士法人第一法律事務所パートナー弁護士監修)
夫だから、妻だから許される。この考え方は、法律の判断には反映されません。家族であっても、相手の同意なくアプリをインストールすれば、警察に逮捕される可能性があるということです。
事実2:適用される罪名と法定刑(刑法168条の2)
事実1で逮捕の根拠になった不正指令電磁的記録供用罪は、刑法168条の2第2項に定められています。法定刑は、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
この罪は、2011年の刑法改正で新設された、いわゆるコンピュータウイルスに関する罪として知られています。相手に気づかれないように動くアプリを無断でインストールする行為そのものが、ウイルスを実行させたのと同じものとして扱われる、という解釈で運用されています。
なお、2015年の逮捕当時の法定刑は「3年以下の懲役」でしたが、2025年6月に施行された刑法改正で懲役と禁錮が拘禁刑に一本化されたため、現在の条文は拘禁刑と表記されています。刑の重さそのものは変わっていません。
結婚していない、慰謝料を求めるつもりはない、自分の中で判断したいだけ。そうした動機があっても、条文の判断は変わりません。
事実3:2025年、有名監視アプリ3社が情報流出を起こして閉鎖した
2025年初頭、世界的に知られていた監視アプリCocospy、Spyic、Spyzieの3つで、重大なセキュリティ上の欠陥が見つかりました。
セキュリティ研究者がこの欠陥を通じてデータを取得したところ、3社を合わせて大量の利用者メールアドレスが外部から読み取れる状態になっていたことが判明します。報道の後、3社のウェブサイトはいずれも閉鎖され、利用していたクラウドストレージもオフラインになりました。
出典
相手を監視していたつもりが、自分の個人情報が流出する側に回っていた。これが監視アプリのもうひとつの顔です。誰が、誰のスマートフォンを、いつから監視していたか。そうした記録は、アプリの提供元のサーバーに残ります。
アプリ公式サイトの「合法です」を、そのまま受け取らないでください
監視アプリの公式サイトやよくある質問を見ると、ほとんどの場合、次のような記述があります。
この記述は、そのまま受け取らないでください。
合法と書かれているとき、その前提は「同意のある利用」または「未成年の子どもの監督」です。具体的には、自分が所有する端末を管理する場合、親として未成年の子どもを監督する場合、あらかじめ同意を得たうえで業務用端末を管理する場合などが想定されています。
このうち従業員の端末管理については、日本では同意があれば何でも認められるわけではなく、目的の正当性や事前の周知など、労務管理上の条件が別に必要になります。いずれにしても、配偶者や交際相手のスマートフォンを無断で監視する用途は、この前提には含まれていません。
つまり「合法です」という記述は、あなたが今考えている使い方については何も保証していない、ということです。
興信所探偵ナビがアプリの公式サイトへのリンクを載せていない理由
当サイトでは、この記事で名前を挙げるアプリについて、公式サイトへのリンクも、購入を後押しするような書き方も一切していません。
利用に法的な問題が伴うこと、そして編集部として相手の同意のない監視をすすめる立場を取らないことが理由です。
他人のLINEを見ることは技術的に可能なのか
技術的には、専用のアプリを使って他人のスマートフォンの情報を遠隔で取得することは可能です。
こうしたアプリの多くは、もともと子どもや家族の見守り、盗難や紛失への備えとして設計されています。スマートフォンとパソコンを連携させて通知を表示したり、紛失時に位置を特定したりする機能を持っています。
ただ、それを他人の端末に無断で入れれば、前述の罪に問われる可能性があります。さらに、仮に導入できたとしても次の問題が残ります。
- 違法な手段で集めた情報は、離婚調停や慰謝料請求の場で使えない可能性が高い
- 発覚した時点で、関係の修復はほぼ不可能になる
- 自分の情報が流出する側に回る(2025年の事件が示したとおりです)
検索されている主な監視アプリ
ここでは、2026年5月時点で運営が確認できた代表的なアプリについて、実態を簡潔に記載します。インストール方法や制限を回避する手順は記載しません。
| アプリ名 | どういうアプリか | LINEのトーク内容 |
|---|---|---|
| mSpy(エムスパイ) | 監視を目的に作られたアプリ。この分野で最も名前が知られている | 取得できる |
| Spylix(スパイリックス) | 監視を目的に作られたアプリ。SNSのやり取りや検索履歴の取得をうたう | 取得できる |
| Cerberus(ケルベロス) | もともとAndroid向けの盗難・紛失対策アプリ。2019年以降の仕様変更で一部機能が制限されている | 対応していない |
| Pushbullet(プッシュバレット) | 自分のスマートフォンとパソコンを連携させる正規のアプリ。通知をパソコンに表示する | 対応していない |
| AirDroid(エアードロイド) | 自分の端末をパソコンから管理する正規のアプリ | 対応していない |
これらに共通する注意点は次のとおりです。
- 第三者のスマートフォンに無断でインストールすれば、いずれの場合も不正指令電磁的記録供用罪に該当する可能性があります(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)
- もとが正規のアプリであっても、この判断は変わりません
- 盗難紛失対策をうたっていたアプリが、実際の使われ方を理由に問題とされたケースもあります(後述のAndroidアナライザー)
- 提供元は利用者の登録情報と取得したデータを自社のサーバーに保管しますが、その管理体制を利用者側が確かめる手立てはありません
すでに終了している監視アプリ
過去にLINEの監視ができるとして紹介されていたものの、現在は利用できないアプリもあります。古い情報を見て時間やお金を使ってしまうことを防ぐため、注意喚起として記載します。
Cocospy、Spyic、Spyzie
2025年初頭の情報流出事件により、3社のサイトはすべて閉鎖されました。2026年5月時点の確認では、Cocospyの公式ドメインは別のサイトに転送されており、サービスは存在しません。
Spyzieは2020年4月から長期メンテナンスとされていましたが、2025年の事件で完全に終了しています。
Phonedeck(フォンデック)
かつて基本無料の監視アプリとして紹介されていましたが、2026年5月時点の確認では公式サイトは閉鎖されており、運営は確認できませんでした。
Androidアナライザー
国産の監視ソフトで、株式会社インターナル(横浜市西区)が販売していました。SMSやLINEのメッセージ、位置情報などを取得できるとされていましたが、2016年11月、神奈川県警や京都府警など5府県警の合同捜査本部が、同社の関係者4人を不正指令電磁的記録作成罪で逮捕しています。これによりサポートは終了し、現在は入手できません。
同社はこのソフトを盗難・紛失対策アプリと説明して販売していましたが、購入者のうち他人の端末に無断で使用した複数の利用者が、すでに不正指令電磁的記録供用罪で検挙されていました。売った側と使った側の双方が摘発された事例です。
出典:Security NEXT「市販スマホ監視アプリの開発会社関係者が逮捕」
LINEは見られないが、位置情報を扱うアプリ
LINEのトーク内容は取得できないものの、位置情報や行動の記録を扱うアプリもあります。いずれも家族の見守り、盗難対策、防犯用途として設計された正規のアプリで、家族間で同意のうえ使う分には問題ありません。
| アプリ名 | 本来の用途 | 相手の端末に入れるか |
|---|---|---|
| life360(ライフ360) | 家族や恋人が互いの居場所を確認し合う位置共有。家族でプランを契約して全員で共有するのが本来の使い方 | 入れる |
| TrackView(トラックビュー) | 自分のスマートフォンやタブレットを防犯カメラとして使う。外出先から自宅の様子を確認する用途 | 入れる |
| Suica Reader・マルチICカードリーダー | 自分のICカードの残高や履歴を確認する | 入れない(自分の端末にカードをかざす) |
注意点は次のとおりです。
- 相手の同意なくインストールして継続的に位置を把握すれば、ストーカー規制法やプライバシーの侵害として問題になる可能性があります
- 第三者の端末に無断で導入すれば、前述の罪に該当する可能性もあります
- 相手のICカードを無断で持ち出して履歴を読み取る行為は、家族間であってもトラブルのもとです
アプリなしで他人(旦那、彼氏)のスマホを監視する方法
監視アプリの代わりに、より簡易な方法も存在します。ただし、これらも相手の同意がない場合は法的・倫理的なリスクを伴う点に注意してください。
1. 直接相手のLINEを確認する
入浴中や就寝時など、相手がスマホを手放している時に直接見る方法です。ただし、相手のスマホのロック解除には相手のパスコードを推測または取得する必要があり、状況によっては不正アクセス禁止法に抵触する可能性があります。
LINEには「非表示リスト」機能があり、浮気相手とのトーク履歴を非表示にしているケースもあります。
2. LINEトーク履歴を復元する
相手のスマホで「LINEアプリ削除 → 再インストール → トーク履歴を復元」という手順を踏むことで、削除されたトークが復元できる場合があります。
ただし、相手のスマホで上記操作をすること自体が、勝手にスマホを操作する行為となる点は注意が必要です。
3. PC・タブレットでLINEを閲覧する
自分のPCで相手のLINEにログインすれば、トーク内容を確認できます。ただし、
- 相手の登録メールアドレスとパスワードが必要(知っていなければ不正アクセス禁止法に抵触)
- 初回ログイン時に相手のスマホに「LINEにログインしました」という通知が届く(ほぼ確実にバレる)
という大きなリスクがあります。
4. iCloudで確認する(iPhone同士)

iCloudは、Apple社が提供するiPhoneの自動バックアップ機能です。相手のApple IDとパスワードがわかれば、自宅のPCから現在位置・メール・連絡先・カレンダー・写真などを確認できます。
ただし、相手の同意なくApple IDとパスワードを使用すれば、不正アクセス禁止法違反となります。
共通しているのは、いずれも証拠として使えないという点です。仮に何かを見つけたとしても、それをどこで、どうやって知ったのかを説明できません。取得の過程そのものが法に触れていれば、話し合いの場でも裁判の場でも、あなたの側が不利になります。
不安と向き合う、3つの選択肢
リスクを知ってもなお、真実を知りたい、このまま抱えているのは苦しい。その気持ちは自然なものです。ここでは、リスクを負わずに進む方法を3つ挙げます。
選択肢1:浮気の兆候を客観的に整理する
漠然とした不安を形にするために、次のような変化を確認してみてください。
- 帰宅時間が以前より遅く、不規則になった
- スマートフォンを常に持ち歩くようになった
- 入浴時やトイレにもスマートフォンを持っていく
- 急に身だしなみを気にするようになった
- 通知が来ても画面を見せなくなった
- 休日に仕事だと言って出かけることが増えた
複数あてはまる場合は、確かめる必要性が高まっていると言えます。ひとつだけであれば、気にしすぎということもあります。行動の変化については夫・旦那の浮気兆候チェックでも詳しく整理しています。
選択肢2:何が証拠になるのかを知る
LINEのやり取りを押さえれば決定的な証拠になる。そう考えて情報を集めようとする方は少なくありません。ただ、現場の感覚は少し違います。
編集部が探偵事務所の現場の方に行った独自調査では、依頼者が過信しがちだが裁判では証拠力が弱いと感じるものとして、LINE・メールのやり取りが31.7%で挙げられました。ホテル等の密会現場の写真・動画と、GPSによる位置情報も、いずれも35.6%で上位に入っています。
依頼者が決定的だと考える証拠と、探偵が実際に評価する証拠にはずれがあるということです。何をどう集めれば意味があるのかを先に知っておくと、遠回りを避けられます。調査結果の詳細は浮気証拠の認識ギャップ調査で公開しています。
選択肢3:探偵・興信所への相談を検討する
事実をはっきり確認したいのであれば、最も現実的で、かつ適法な選択肢は探偵・興信所への相談です。
| 項目 | 監視アプリ | 探偵・興信所 |
|---|---|---|
| 法的な位置づけ | 無断でのインストールは不正指令電磁的記録供用罪に該当する可能性(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金) | 探偵業法にもとづく調査 |
| 証拠としての扱い | 違法に取得した情報は使えない可能性が高い | 適法に取得された証拠は採用されやすい |
| 発覚した場合 | 関係が壊れるうえ、刑事告訴を受ける立場になり得る | 調査員が尾行・撮影するため対象者に気づかれにくい |
| 情報の管理 | 提供元のサーバーに記録が残り、利用者が流出リスクを管理できない | 探偵業法で秘密の保持が義務づけられている |
| 費用 | 月額数千円から1万円程度(継続課金) | 約8万円から100万円(調査内容による) |
費用の内訳と抑え方は浮気調査の費用相場で整理しています。
多くの事務所が電話やLINEで無料相談を受け付けています。まず話を聞いてもらうだけでも、抱えているものが整理されることがあります。
よくある質問
まとめ
監視アプリには、3つの問題があります。
| 問題 | 何が起きるか |
|---|---|
| 逮捕されることがある | 奈良県で、夫が妻のスマートフォンに監視アプリを入れて実際に逮捕されている |
| 罪名と刑罰が決まっている | 不正指令電磁的記録供用罪。3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。動機や家族関係は判断を変えない |
| 自分の情報が流出する | 2025年、Cocospy・Spyic・Spyzieの3社で利用者の情報が外部から読み取れる状態になり、いずれも閉鎖 |
結婚しているわけではない、慰謝料を求めるつもりもない、ただ別れるか続けるかを自分で決めたい、費用もあまりかけられない。そうした方こそ、リスクを負ってまで監視アプリに手を伸ばすべきではありません。
逮捕されれば、前科と弁護士費用と社会的な信用を失います。調査を依頼する費用をはるかに超えるものを支払うことになります。
進む道は2つあります。
- 兆候を客観的に整理して、自分の中で判断する
- 探偵・興信所に相談して、事実を確認する
多くの事務所が電話やLINEで無料相談を受け付けています。まず話を聞いてもらうだけでも、抱えているものは軽くなります。
浮気調査・探偵選びで迷ったら
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