
浮気調査を探偵に頼むと、いくらかかるのか。相場は8万円から100万円と幅があり、ネット上の情報を見ても金額がばらついていて、自分の場合がどこに当てはまるのか分かりにくいはずです。
金額に幅が出るのは、調査員の人数と調査時間で総額が決まるためです。日時を絞り込めていれば1日で終わり、見当がつかなければ何週間もかかります。同じ「浮気調査」でも、支払う金額が10倍違うことは珍しくありません。
編集部では7社の探偵事務所に直接取材し、公式サイトの料金表だけでなく、実際の見積書と請求書も確認しました。表示されている単価と、最後に支払う総額がどう違うのかを、実物の数字で説明します。
浮気調査の費用はいくらかかるのか
依頼の規模ごとの総額の目安は次の通りです。
| 調査の規模 | 想定するケース | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 短時間の調査 | 1日だけ、3〜5時間程度の特定日調査 | 約8万〜15万円 |
| 標準的な調査 | 1週間以内、複数日にわたる行動調査 | 約30万〜60万円 |
| 長期の調査 | 1ヶ月以上、継続的な証拠集め | 約60万〜100万円超 |
同じ事務所に頼んでも、この3つのどれになるかで支払額は変わります。分かれ目になるのは、いつ会っているかを依頼者側がどこまで把握しているかです。
「毎週金曜の夜が怪しい」まで絞り込めていれば、その日に人を集中させて1日で終わります。「最近様子がおかしい」だけの状態から始めると、まず行動パターンをつかむための調査が必要になり、そのぶん時間が積み上がります。
浮気調査の費用が決まる3つの要素
浮気調査の費用は、次の3つの掛け算で決まります。
| 要素 | 費用への影響 | 注意点 |
|---|---|---|
| 調査員の人数 | 2〜3名のチームが標準 | 1名あたりの単価表示なら、請求はその2〜3倍になる |
| 調査時間 | 費用のほとんどが人件費 | 8時間か24時間かで総額が3倍変わる |
| 経費 | 車両代・ガソリン代・高速代・駐車場代・公共交通費・宿泊費 | 単価に含む事務所と別途請求の事務所があり、表示料金の比較を難しくしている |
1名では対象者を見失います。建物に入られたときに正面と裏口を同時に押さえる、タクシーに乗られたときに1名が運転して1名が撮影に備える、といった動きは1名では成立しません。
調査時間の長さは、いつ会っているかを依頼者がどこまで把握しているかで決まります。日時が絞り込めていれば、その日だけ人を集めて数時間で終わります。
分からない状態から始めると、まず何曜日の何時に動くのかをつかむための調査が必要になり、その分時間が積み上がります。
経費については、対象者が入った飲食店に調査員も入る場合、その飲食代も請求対象になります。見積書で「諸経費一式」としか書かれていない場合は、内訳と上限を出してもらってください。
探偵事務所の料金の決まり方は4通り

料金表の書き方は事務所ごとに違いますが、計算の仕組みは次の4つのどれかになります。
1名1時間あたりの単価に時間を掛ける方式
もっとも多い形です。「1名1時間◯円」と表示し、そこに実際の調査時間と投入人数を掛けます。取材した7社のうち、HAL探偵社、総合探偵社AMUSE、MJリサーチ、そよかぜ探偵事務所がこの方式です。
見るべきなのは表示単価ではなく、何名体制で何時間かを掛けた総額です。1名1時間7,000円の事務所でも、3名で8時間動けば調査料金だけで168,000円になります。
基本料金に調査料金を足す方式
着手にあたっての基本料金を先に決め、そこに調査分を加算する形です。原一探偵事務所がこの方式で、トライアル、時間制、定額制、プレミアムの4プランに分かれています。
契約の時点で総額の枠が決まるため、あとから請求が増えることはほとんどありません。
完全成功報酬
証拠が取れなければ費用は発生しない形です。HAL探偵社が浮気調査でこのプランを用意しています。取材では、成功した場合は50万円からと高額になり、日時の見当がつかず調査計画が立てにくい人向けだという説明でした。
このプランで一番大事なのは、何をもって成功とするかです。ラブホテルへの出入りの撮影までを成功とするのか、浮気相手と接触した事実の確認だけで成功とするのか。
ここが曖昧なままだと、依頼者は失敗と感じているのに事務所側は成功として請求する、という食い違いが起きます。契約前に書面で定義を確認してください。
単価に経費を別途加算する方式
時間単価を低く設定しておき、車両費・機材費・交通費・宿泊費を別に請求する形です。表示価格は安く見えますが、調査が長引くほど経費が膨らむため、最終的な支払額が他の方式と変わらないことも多くあります。
この方式の事務所を検討するなら、見積書の段階で経費の内訳と上限を出してもらってください。「諸経費一式」としか書かれていない見積書は、後から金額が動く余地を残しています。
取材した7社の料金
編集部が直接取材した7社について、公式サイトで確認できる料金を単価の安い順に並べました。
| 事務所名 | 料金の形 | 1名1時間の単価 | 追加料金・実費の扱い |
|---|---|---|---|
| HAL探偵社 | 時間制/完全成功報酬 | 7,000円(税込) | 基本料金(車両機材費)4万円程度、交通費・宿泊費は実費 |
| 総合探偵社AMUSE | 時間制 | 8,250円(税込)〜 | 表示額は最低料金。連続15時間以上24時間以内の場合は3,980円(税込)〜の適用あり |
| MJリサーチ | 時間制 | 8,800円(税込)〜 | 公式サイトに報告書サンプルを掲載 |
| そよかぜ探偵事務所 | 時間制 | 8,800円(税込)〜 | 公式サイトに報告書サンプルを掲載 |
| 原一探偵事務所 | 基本料金+調査料金 | 単価表示なし(トライアル55,000円、時間制159,600円〜、定額制250,000円〜) | 見積もりからの追加料金は発生しないと公式サイトに明記 |
| アイヴィ・サービス | 基本料金+調査技術料 | 単価表示なし(基本料金50,000円税別〜) | 見積もりで提示した金額から追加料金は発生しないと取材で回答 |
| さくら幸子探偵事務所 | 完全オーダーメイド | 非公表 | 依頼内容ごとに個別見積もり |
AMUSEの3,980円という表示について補足します。この金額は連続15時間以上24時間以内という条件を満たした場合のもので、15時間以内の調査依頼では8,250円(税込)からです。
面談時に自分のケースでの実際の単価を確認してください。広告で目にする最安値の数字には、こうした適用条件が付いていることがあります。
さくら幸子探偵事務所のように料金を公表しない事務所もあります。公表がないこと自体が問題なのではなく、面談で内訳と総額をきちんと出してくれるかどうかが判断の分かれ目です。
各社の取材内容は、探偵・興信所の一覧ページからも確認できます。
見積書に書かれていた実際の総額
表示単価と、実際に支払う金額はどれくらい違うのか。編集部が確認した実物の書類で見ていきます。
原一探偵事務所の見積書
素行調査の見積書で、調査時間12時間・調査員3名、総額44万円。深夜調査の割増料金、入店費用、機材代、車両代がすべて含まれた金額でした。1名1時間あたりに直すと12,222円です。
この44万円は、12時間・3名という条件で見積もられた金額です。公式サイトに追加料金は発生しないと明記されているため、この条件で依頼するかぎり、調査後に金額が上乗せされることはありません。
当然ながら、調査時間や人数が増えれば見積額そのものが変わります。
比較した他社の請求書
比較のために、原一探偵事務所とは別の探偵社に実際に依頼した方から、請求書を見せてもらいました。積み上げ式の料金体系がどう請求額に反映されるかが分かる内容です。
調査時間25時間30分・調査員3名で、調査料金713,500円に立替費用31,110円と着手金50,000円を加えて794,610円(税抜)。22時以降の割増に加え、車両使用料・機材使用料・高速代・ガソリン代が実費で上乗せされる形でした。1名1時間あたりに直すと10,387円です。
単価だけを比べると、原一探偵事務所のほうが1名1時間あたり約2,000円高い計算になります。ただし積み上げ式の事務所は調査が長引くほど実費が増えていくため、単価の差だけで高い安いは決められません。
HAL探偵社が公開している費用例
公式サイトに掲載されている浮気調査の費用例です。
| 依頼内容 | 調査時間 | 調査員 | 調査料金(税込) |
|---|---|---|---|
| 会う日程が特定できていた夫の浮気調査 | 8時間 | 3名 | 168,000円 |
| 週末の帰りが遅い妻の浮気調査 | 14時間 | 3名 | 294,000円 |
| 日時が不明で裁判用の証拠が必要な夫の浮気調査 | 24時間 | 3名 | 504,000円 |
車両機材費や交通費は別途です。3例に共通しているのは調査員3名という体制で、1名1時間7,000円という表示単価がそのまま請求額になるわけではないことが分かります。
日程が特定できていた1例目は8時間、日時が分からないまま探った3例目は24時間。同じ事務所でも、依頼者側の情報量で3倍の差がついています。
アイヴィ・サービスの見積例
取材で提示された見積例です。「来週の水曜は残業で遅くなる」と言う夫の浮気調査で、勤務先の出入口が1〜2か所、浮気相手の顔と氏名は把握済みという条件でした。
基本料金50,000円、調査技術料60,000円×2名で120,000円、車両費20,000円、諸経費(交通費・報告書作成ほか)30,000円。合計220,000円(税別)で、成功報酬はなしという内訳です。
出入口が多い高層ビルや地下直結の建物から始まる場合、移動手段や服装が不明な場合、対象者が浮気を疑われていると気づいている場合は難易度が上がり、金額も変わるという説明でした。
1ヶ月依頼するといくらかかるのか
1ヶ月というのは、毎日尾行し続けるという意味ではありません。
HAL探偵社の浅見代表への取材では、浮気相手と会う頻度で調査期間が決まるという説明でした。週に1回会っていて不貞の証拠を2回押さえるなら2週間程度。
会う頻度が月1回程度だったり、1回目の調査が空振りに終わったりすると2ヶ月程度。月に2〜3回のケースが多いため、平均すると1ヶ月程度になるとのことです。
実際の調査時間としては、怪しい日を週に1〜2回に絞って積み上げていく形になります。合計で24時間なら、先ほどのHALの例で504,000円。原一探偵事務所の定額制プランは250,000円からで、余剰分の返金がある設定です。
1ヶ月の調査で総額60万円から100万円という数字をよく見かけますが、これは日時が絞り込めないまま長期化した場合の金額です。最初に行動パターンを整理してから依頼すれば、同じ1ヶ月でも支払額はかなり変わります。
費用を抑える3つの方法
行動パターンを整理してから相談する
費用は調査時間に比例するので、事前情報の量がそのまま金額に返ってきます。面談の前に、次の項目を時系列でまとめておいてください。
- 普段の出勤時間と帰宅時間
- 残業・出張・休日出勤が増えた日
- スマートフォンやSNSの使い方の変化
- クレジットカードや銀行明細の不自然な記録
- 服装や身だしなみの変化。
HAL探偵社への取材では、これに加えて対象者の最近の写真、調査当日の服装、車両情報を用意してほしいという回答がありました。何年も前の写真しかないケースが実際にあり、対象者を捕捉できなければその日の費用が無駄になるためです。
調査の目的を先に決める
事実を知りたいだけなのか、慰謝料請求や離婚協議で使う証拠が必要なのか。求める結果によって必要な調査量が変わります。
事実確認だけなら1〜2回の短時間調査で足ります。裁判で使う前提なら、1回の証拠では「たまたま」と反論される余地があるため、複数回にわたる記録が必要になり、期間も費用も伸びます。
原一探偵事務所への取材でも、55,000円からでも調査は可能だが、依頼者が何を求めているかによって組み立てが変わるという回答でした。目的を正直に伝えたほうが、結果的に無駄のない見積もりが出てきます。
2〜3社から見積もりを取る
不安を抱えた状態だと、最初に相談した事務所でそのまま契約してしまいがちです。ただ、1社だけでは提示された金額が妥当なのかを判断できません。
複数の事務所と話すと、料金だけでなく、調査の進め方や説明の丁寧さの違いも見えてきます。同じ条件を伝えたうえで、内訳の書き方を比べてみてください。
費用で失敗しないための確認事項
追加料金の扱いを書面で確認してください。口頭で「追加はありません」と言われても、契約書に書かれていなければ意味がありません。延長料金、深夜早朝の割増、遠方への出張費、報告書の作成費用。この4つは特に確認しておきたい項目です。
調査を延長する場合の運用も聞いておいてください。HAL探偵社への取材では、調査時間が延びそうなときは延長するか打ち切るかを必ず依頼者に相談する運用だという説明がありました。事務所の判断だけで時間が伸びる契約になっていないかを見てください。
料金が相場から大きく外れて安い場合は、理由を確認してください。浮気調査には人件費と車両・機材のコストがかかります。相場を大きく下回る設定には、2名で行うべき調査を1名で行っている、経費が後から別請求になる、といった事情があると考えるのが自然です。
調査費用を相手に請求できるか
浮気調査にかかった費用は、慰謝料請求の際に損害の一部として請求できる場合があります。ただし全額が認められるとは限らず、不貞行為の証拠が実際に得られていること、調査が必要だったと認められることなどが前提になります。
金額の妥当性も見られるため、相見積もりを取ったうえで適正な価格で依頼していることが、後々の請求で意味を持ちます。
具体的にどこまで認められるかは個別の事情によるため、慰謝料請求を考えている段階であれば弁護士に相談してください。
よくある質問
依頼先を比べたい方へ
料金の仕組みが分かったら、次は依頼先の比較です。編集部が取材した事務所の詳しい内容と、届出状況や報告書の公開状況をふまえた比較は、次のページにまとめています。

